■ 交通事故損害賠償請求の基礎用語集
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異議申し立て |
過失割合や障害等級などに異議申し立てをすることにより再審査することができます。
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慰謝料 |
事故によって生じた精神的な苦痛に対する損害賠償。死亡やケガの場合に請求できるますが基本的に物に対する慰謝料は請求できません。
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逸失利益 |
将来得られたであろう見込み収入。一時金でもらえるためライプニッツ係数をかけ利息分を差し引きます。
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内払金請求 |
治療費や休業損害などを10万円を超えたごとに請求できる制度で請求から1ヶ月ほどかかります。死亡や後遺障害の場合はできません。
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運行供用者 |
子の所有の車に維持費などを援助していた親や下請け会社に指揮監督権がある元請人など。いずれも子、下請け会社の社員が起こした事故に対して責任を負う必要がある者のことを指します。(定義は微妙なので個別に判断する必要があります)
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加害者 |
交通事故で加害者とはケガをさせた方のことで、車に乗っていて赤信号を渡ろうとした子供を轢いてしまったなど、赤信号を渡ろうとした子供の方に責任があろうともケガをさせた車の運転者が加害者でケガをした子供の方が被害者になります。
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加害者請求 |
加害者が被害者にすでに賠償金を支払っている場合は自賠責保険に加害者から請求できます。それには被害者から受け取った領収書が必要になります。
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格落ち損 |
事故車は売ったときや下取りに出した場合、無事故車と比べると低く評価されてしまう損害です。保険会社が格落ち損を認めることは少ないですが、裁判では認められたことがあります。
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過失相殺 |
損害賠償額を決めるときに加害者と被害者の過失割合を考慮して賠償額を減額することです。
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過失割合 |
加害者、被害者どちらにどのくらいの過失があったかの割合です。自賠責保険は被害者が7割未満の過失の場合、全額保険金が支払われます。
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仮渡金請求 |
当座の資金が必要な場合にまとまったお金を受け取れる制度です。請求は1回のみですが約1週間で支払われます。
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休業損害 |
事故のため仕事を休んでしまったために減ってしまった収入のことです。計算方法はサラリーマン、主婦、自営業者などで異なります。
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健康保険 |
交通事故にも健康保険が使えます。健康保険で認められない特別な治療が必要な場合以外は自由診療よりも健康保険をつかうことが有利なことがほとんどです。
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後遺障害 |
治療してもこれ以上の回復が見込めず身体に障害が残ることです。
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後遺障害等級 |
1級~14級まであり、1級に近いほうが思い障害が残ったということです。等級認定により慰謝料と逸失利益を請求できます。また不該当や等級に不満がある場合は異議申し立てをすることができます。
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高次脳機能障害 |
外見的には回復したように見えますが、記憶障害や人格変化などになってしまった障害。
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交通事故証明書 |
交通事故が発生したことを証明する書類。事故の発生日時や当事者の氏名、人身か物件事故かなどが書いてあります。
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交通事故紛争処理センター |
当事者で合意することが困難な場合相談や示談のあっせんができる機関です。
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┃さ行
時効 |
交通事故の損害賠償請求権には時効があります。自賠責保険3年間(平成22年3月31日までに発生した事故は2年間)、民法3年間(加害者不明の場合20年間)となっています。
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示談 |
交通事故の当事者同士がお互いに話し合って支払う額などを決め示談書という文書を交わして解決する方法です。
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支払い限度額 |
自賠責保険では損害額の上限が決まっています。ケガで120万円、死亡で3000万円、後遺障害で4000万円です。
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自由診療 |
同じ治療でも自由診療では治療費が健康保険を使った場合と比べて2倍程度になります。健康保険が認められない特別な治療以外は自由診療よりも健康保険を使った方が有利になることがほとんどです。
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消極損害 |
事故によって本来、得ることができたのが得られなくなった収入のことです。(休業損害と逸失利益)
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症状固定 |
治療してもこれ以上回復することが見込めないと医師が診断した状態のことです。
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積極損害 |
事故によって出費しなければいけなくなった損害のことです。(治療費、葬儀費用、通院費などです。)
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損益相殺 |
事故により色々な保険から給付されると利益が出てしまう可能性があるのでそれを相殺しようとする考えです。例として、労災保険と自賠責保険の両方から休業損害をもらい通常より2倍もらうということを避けるためです。しかし生命保険や生活保護給付金などは損益相殺されません。
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損害保険料率算出機構 |
事故発生状況報告書の内容からその事故が加害者のあるのかないのかを判断するところです。
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┃た行
調停 |
裁判ではないですが、裁判所で当事者の主張を裁判官と調停員に聞いてもらい納得できる妥協点をまとめてもらうことです。手続きや費用も裁判に比べると簡単で安いですが、当事者のどちらも調停案に従わなければいけないわけではありません。
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等級認定 |
後遺障害が残った場合、何級に当たるかが決められますが、それを決めることを等級認定といいます。
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脳外傷による高次脳機能障害審査会・再審査会 |
高次脳機能障害の可能性がある場合、高次脳機能障害審査会で詳しく審査を行い後遺障害等級の認定を行います。
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被害者 |
被害者 交通事故ではケガをした方を被害者と呼びます。責任がケガをした方が大きくても被害者と呼び、どちらもケガをした場合は、双方が被害者です。被害者は加害者が複数いる場合はどの加害者にも、同時にも賠償請求することができます
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無保険車 |
自賠責保険も任意保険もかけていない車のことです。
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ライプニッツ係数 |
逸失利益が支払われる際に一括で支払われるため途中で発生する利息を差し引く係数です。
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労災保険 |
仕事中や通勤途中のケガや病気になってしまった場合に、休業補償や治療費を支払う労働者のための保険です。
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労働能力喪失率 |
後遺障害により以前のように働けなくなった部分のことをいいます。
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